足関節の筋肉作用と触診

距腿関節および距骨下関節を横断する筋肉配列

距腿関節および距骨下関節を横断する筋肉配列を理解することで、各筋の作用を理解することができます(図1)。

図1 距腿関節および距骨下関節を横断する筋肉配列
1)を参考に作成

背屈・内返しする筋肉

足関節を背屈・内返しする筋肉には、長母趾伸筋および前脛骨筋が挙げられます(図2)。

図2 背屈・内返しする筋肉

長母趾伸筋

長母趾伸筋は、足関節を背屈、母趾のMTP関節およびIP関節は伸展する作用があります。L5神経根障害や総腓骨神経障害では機能不全に陥りやすい²⁾とされています。

🎥長母趾伸筋の触診

前脛骨筋

前脛骨筋は、足関節を背屈・内反し、ショパール関節をわずかに背屈(伸展)・回 外する作用があります。また、内側縦アーチを挙上する機能があり、足部が床面に固定されている条件下では、下腿を前傾します²⁾。

歩行においては、荷重応答期(ローディングレスポンス)で、足部底屈運動の減速に作用³⁾します。さらに距骨下関節およびショパール関節を回外位に保持する働きがあります。

🎥前脛骨筋の触診

背屈・外返しする筋肉

足関節を背屈・外返しする筋肉には、長趾伸筋および第3腓骨筋が挙げられます(図3)。

図3 背屈・外返しする筋肉

長趾伸筋

長趾伸筋は、足関節を背屈・外反し、第2〜5趾の伸展に作用します。足部捻挫の受傷肢位は足関節の底屈・内反位である場合が多いため、長趾伸筋の機能はこの肢位に拮抗するために重要である²⁾とされます。

🎥長趾伸筋の触診

第3腓骨筋

第3腓骨筋は、足関節を背屈・回内する作用があります。不意に生じる回外運動に対する固有感覚器としての作用を有する⁴⁾とも言われる一方で、白人の人口の5%から17%で欠如しており、また足関節の靭帯損傷のリスクに影響を与えないことや第3腓骨筋が欠如していても背屈や外反筋力が低下しない⁵⁾ことが示されています。

底屈・内返しする筋肉

足関節を底屈・外返しする筋肉には、後脛骨筋長趾屈筋長母趾屈筋および下腿三頭筋が挙げられます(図4)。

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。 ログインは【こちら】. 新規会員登録は【こちら】