骨盤帯の触診とアライメント評価

骨盤の触診と評価精度を高めるポイント

利き目の確認

目の優位性とは、片方の眼の視覚入力が他方の眼よりも優先される現象¹⁾をいいます。優位な眼で見る方が視覚情報の処理が優れている¹⁾との報告や、乱視の程度が低い²⁾との報告がみられます。

目の優位性を判断する方法は、1919年に紹介されたDolman Method³⁾(hole-in-the-card test)が広く使用されており、特に臨床や視覚研究の分野でその有用性が評価されています⁴⁾。

hole-in-the-card test⁵⁾では、被験者は両手を伸ばして厚紙を持ち、両眼で穴を通して目印を見てもらい、片眼ずつ閉じ、穴の中で目印が見えた方の眼を利き眼とします(図1)。両手で小さな穴を作り、 手を伸ばした状態で遠方の目印を両眼で見てもらい、目印が穴に入ったまま両手をゆっくりと被験者の顔に近づけた時に、穴と重なった方の眼を利き眼と判断する変法⁶⁾もあります。

図1 hole-in-the-card test
5)より画像引用

hole-in-the-card testを簡単に行うための方法の一つとして、両手を使って小さな三角形の穴を作る方法があります。

【手順】

1.両手を前に伸ばし親指と人差し指を重ねて小さな三角形の開口部を作ります。
2.その三角形の穴を通して、遠くにある対象物(例えば、壁のスイッチや時計)に焦点を合わせます。
3.片方の目を閉じて、もう一方の目で対象物が中央に見えるか確認します。次に反対の目でも同じように確認します。
4.片方の目を閉じたとき、対象物が中央に見える目が『利き目』です。もう一方の目を閉じたときに対象物が中央からずれる場合、その目は利き目ではありません。

骨盤アライメントの評価では、左右差や高低差の精確な評価判断が必要となります。そこで「利き目」を用いることを推奨します。

※hole-in-the-card testで判断される「利き目」は、左右が逆転する場合があります。そのため、評価の直前に「利き目」を確認してみましょう。

ASISの触診とアライメント評価

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