アキレス腱痛症の臨床評価

アキレス腱断裂の評価

【Thompson squeezeテスト(calf squeeze test)】¹⁾
Thompson squeezeテスト
は、アキレス腱断裂の有無を調べる検査になります。

https://www.youtube.com/watch?v=z-7cJ7LpCqY&t=53s

【検査方法】
腹臥位で下腿三頭筋の筋腹を把持します。検査側の足関節が底屈しなければ陽性となります。
【結果の解釈】
アキレス腱の完全断裂では足関節底屈運動は起こりませんが、部分断裂では検査陰性となる場合があります。

圧痛所見の評価

アキレス腱痛症には、アキレス腱実質だけでなくパラテノン滑液包が関係します(図1)。

図1 アキレス腱痛症に関わる組織
2)より画像引用

アキレス腱周囲の圧痛所見の評価により、疼痛部位を判別します(図2)。

図2 アキレス腱痛症の疼痛部位
3)を参考に作成

非付着部アキレス腱症(アキレス腱症、アキレス腱周囲炎)では、踵骨から2cm以上近位³⁾で圧痛がみられます。

アキレス腱症とアキレス腱周囲炎の鑑別方法には、arc testおよびRoyal London Hospital Testが挙げられています。

いずれの検査方法も、アキレス腱部(非付着部)の圧痛部位が足関節底屈および背屈で変化するかを評価します。

https://www.youtube.com/watch?v=_BT0kGKzqv0&t=109s

https://www.youtube.com/watch?v=VEOL0tX2rcQ&t=86s

アキレス腱部の疼痛が足関節の底背屈によって減弱や消失する場合はアキレス腱実質部の症状(アキレス腱症)であり、圧痛部位に変化が見られない場合はパラテノンの症状(アキレス腱周囲炎)⁴⁾と考えられています。
急性に発症したものでは、パラテノンに炎症が生じる³⁾とされています。

滑液包炎の圧痛は、踵骨を両側からつまむ(two-fingers squeeze test)³⁾ようにして評価します。

足部アライメント(回内足/回外足)の評価

【FPI-6(Foot Posture Index)】
FPI-6は足部が回内足なのか、回外足なのかを点数化し判断する指標です。6つの検査項目があります。再現性が高く、歩行中のアライメントを中等度反映できるとされています。以下、FPI-6の評価項目になります。

①距骨の触診

足関節の前方で距骨頭を触診します。距骨下関節が回内すると内側で、回外すると外側で触知することができます。

判断基準
−2:外側触知可、内側触知不可
−1:外側触知可、内側触知少し可
0:外側触知少し可、内側触知少し可
1:外側触知少し可、内側触知可
2:外側触知不可、内側触知可


②外果の上下ライン

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