股関節の理学療法まとめ①〜股関節周囲の疼痛原因一覧、大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(FAI)、グローインペイン症候群(鼠径部痛)〜

股関節周囲の疼痛原因一覧

股関節周囲で疼痛を引き起こす原因¹⁾には以下が挙げられています。

【股関節前面】
・肉離れ(内転筋、大腿四頭筋、腸腰筋、腹直筋)
・腸腰筋滑液包炎、腸恥包炎
・鼠径ヘルニア
・恥骨結合機能不全
・股関節唇損傷
・大腿寛骨臼インピンジメント(FAI)
・股関節症
・大腿四頭筋打撲
・内側弾発股
【股関節外側面】
・外側弾発股
・ヒップポインター(腸骨稜上部の打撲)
・大腿筋膜張筋症候群
・大転子包炎、変性
・知覚異常性大腿神経痛

 

【股関節後面】
・坐骨包炎
・肉離れ(大殿筋、中殿筋、ハムストリングス)
・大殿筋打撲
・仙腸関節機能不全、捻挫
・梨状筋症候群
・尾骨損傷

 

【股関節痛を呈する重篤な疾患】
・疲労骨折(大腿骨頚部、恥骨枝、臼蓋)
・大腿骨頭すべり症
・感染性関節炎
・尿路感染
・大腸憩室炎
・ペルテス病
・鼠径リンパ腫脹
・腎結石
・強直性脊髄炎
・股関節脱臼
・大腿骨頭壊死
・前立腺炎
・虫垂炎
・腫瘍

さらに、股関節周囲の疼痛をみるうえで知っておきたい大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群グローインペイン症候群についてご紹介します。

大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群

大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(femoroacetabular impingement;以下FAI)は、大腿骨側または寛骨臼側、もしくはその両方の軽微な骨形態異常が背景となり、股関節動作時に骨頭頸部移行部と寛骨臼縁が繰り返し接触・衝突し、力学的負荷が加わることにより関節軟骨あるいは関節唇に損傷をきたしうる病態¹⁾とされています。

FAIは以下の3つのタイプに分類されます(図1)。

FAIの分類

図1 FAIの3つの分類
2)より画像引用一部改変

FAIはいわゆる股関節インピンジメント症候群と混同されやすいですが、FAIは骨形態異常が背景にあるため、その違いを理解しておきましょう。

グローインペイン症候群(鼠径部痛)

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