脊柱(背部)の筋肉(触診あり)
頭板状筋
起始:項靱带、第4頚椎~第3胸椎の棘突起
停止:乳樣突起、上項線外側3分の1
作用:
両側:頭部の伸展、片側:頭部の側屈と同側回旋
支配神経:中位の頚神経の後枝
頸板状筋
起始:第3頚椎~第6胸椎の棘突起
停止:第1,2頚椎横突起
作用:
両側:頭部の伸展、片側:頭部の側屈と同側回旋
支配神経:中位の頚神経の後枝
回旋筋
起始:頚椎、胸椎および腰椎の横突起
停止:起始部より1, 2椎骨上位の脊椎の椎弓板と横突起
作用:脊柱の固定、伸展、反体側への回旋
支配神経:脊髄神経後枝
多裂筋
起始:仙骨、腸骨、第1~12胸椎の横突起、第4~7頚椎の関節突起
停止:起始部より2~4椎骨上位の脊椎の棘突起
作用:脊柱の固定、伸展、反体側への回旋
支配神経:脊髄神経後枝
多裂筋は座位、立位での効率的な運動を遂行するために、腰背筋群の中で最も重要な働きをしている¹⁾とされています。
半棘筋
起始:第3頚椎~第12胸椎の横突起
停止:頚椎と胸椎の棘突起、後頭骨
作用:頭部、頚部と胸部の伸展と反対側への回旋
支配神経:脊髄神経後枝
上後鋸筋
起始:第6,7頚椎および第1,2胸椎椎の棘突起
停止:第2~5肋骨の肋骨角
作用:肋骨の挙上
支配神経:肋間神経(T1-T4)
下後鋸筋
起始:第11,12胸椎および第1,2腰椎の棘突起、胸腰筋膜
停止:第9~12肋骨の下面
作用:肋骨の下制
支配神経:肋間神経(T9-T12)
下位胸郭の拡張機能不全に対して、下後鋸筋の賦活を目的としたトレーニングが推奨²⁾されています。
棘横突筋
起始:第3~6胸椎の棘突起
停止:第1~3頚椎の横突起
作用:
両側:頚部の伸展
片側:頚部の側屈と同側回旋
支配神経:下位の頚神経の後枝
横突間筋 (頚横突間筋、胸横突間筋、腰横突間筋)
起始停止:隣接する椎骨の上下の横突起
作用:脊柱の安定化と側屈の補助
支配神経:脊髄神経前枝と後枝
棘間筋 (頚棘間筋、胸棘間筋、腰棘間筋)
起始停止:隣接する椎骨棘突起
作用:脊柱の伸展の補助
支配神経:脊髄神経後枝
腸肋筋 (腰腸肋筋、胸腸肋筋、頸腸肋筋)
起始:
(腰)仙骨、腸骨稜、胸腰筋膜
(胸)第7 ~12肋骨
(頸)第3 ~7肋骨
停止:
(腰)第6~12肋骨、胸腰筋膜、上位腰椎横突起
(胸)第1~6肋骨
(頸)第4 ~6頚椎横突起
作用:脊柱の伸展と側屈
支配神経:第8頸神経~第1腰椎の後枝
腸肋筋は、最長筋とともに脊柱起立筋を構成し、外側1/2を占めます¹⁾。
最長筋 (胸最長筋、頸最長筋、頭最長筋)
起始:
(胸)仙骨、腸骨稜、胸椎·腰椎横突起
(頸)第1~6胸椎の横突起
(頭)第1~3胸椎の横突起、第4~7頚椎横突起と関節突起
停止:
(胸)第2~12肋骨、腰椎の肋骨突起、胸椎横突起
(頸)第2~5頚椎の横突起
(頭)乳様突起
作用:脊柱および頭部の伸展と側屈、回旋
支配神経:第1頸神経~第5腰椎の後枝
最長筋は、腸肋筋とともに脊柱起立筋を構成し、内側1/2を占めます¹⁾。
棘筋 (胸棘筋、頸棘筋)
起始:
(胸)第10~12胸椎および第1~3腰椎の棘突起外側面
(頸)第1,2胸椎および第5~7頸椎の棘突起
停止:
(胸)第2~8胸椎の棘突起外側面
(頸)第2~4頚椎の棘突起
作用:頚椎および胸椎の伸展と側屈
支配神経:脊髄神経後枝
参考・引用文献一覧
1)鈴木俊明:体幹と骨盤の評価と運動療法 改訂版.株式会社運動と医学の出版社,2021.
2)平沼憲治,他:コアセラピーの理論と実践.株式会社講談社,2011.
3)H.Netter:ネッター解剖学アトラス 原著第7版.株式会社南江堂,2022.
4)坂井建雄,松村讓兒(監訳):プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論 / 運動器系 第 3 版,医学 書院,東京,2016.
5)F.H.マティーニ,他:カラー人体解剖学 構造と機能:ミクロからマクロまで.西村書店,2003.