筋筋膜性腰痛の理解と評価アプローチ

筋筋膜性腰痛の病態と原因

腰背部の筋肉に過度の負荷が加わり、筋や筋膜、あるいは筋筋膜移行部、筋の骨への付着部にストレスが加わりどう部位の損傷によって発症する¹⁾とされています。

筋筋膜性腰痛を引き起こす主な要因には以下が挙げられています。

筋筋膜性腰痛を引き起こす主な要因¹⁾²⁾³⁾⁴⁾
・過度の運動負荷
・長時間安静臥床
・不良姿勢
・腰背の筋の脆弱化
他部位の疼痛からの二次的疼痛などによる
・腰部の筋緊張亢進と循環障害
・腰部周囲の軟部組織滑走不全
・ローカル筋とグローバル筋のインバランスによる脊柱起立筋群への過度な負荷

筋筋膜性腰痛の機能解剖学的な原因としては以下が挙げられています。

筋筋膜性腰痛の機能解剖学的な原⁴⁾
・マルアライメント
(左右寛骨非対称、仙骨前額面傾斜、下位胸郭閉鎖、腰椎前弯減少・回旋)
・関節可動域・可動性低下
(股関節屈伸・回旋制限、胸郭拡張不全)
・筋機能不全
(体幹安定性低下)


ここでは、筋機能不全胸腰筋膜の滑走性に着目した評価やアプローチをご紹介します。

筋筋膜性腰痛(筋機能不全)の評価ポイントとアプローチ

筋筋膜性腰痛(筋機能不全由来)の臨床における評価ポイントに以下の3つが挙げられます。

【筋筋膜性腰痛(筋機能不全由来)の評価ポイント】
・後斜走系の滑走性と機能
大殿筋筋収縮の機能改善
胸腰筋膜(外縫線)の滑走性改善

後斜走系の機能評価とアプローチ

大殿筋は、胸腰筋膜後葉の浅層を介して対側の広背筋と繋がり⁵⁾後斜走系と呼ばれます(図1)

図1 後斜走系

この筋膜連結が正常に働くと、仙腸関節の閉鎖力が保たれる⁶⁾とされています。

後斜走系の機能評価には以下のような方法があります(図2)。

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