理学療法士がおすすめする股関節の本(専門書)

今回ご紹介する書籍は、こちらです!

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オススメ度 [star45]

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こんな方におすすめ

  • 臨床に役立つ股関節の専門書を探している
  • 持っておいて損のない股関節の書籍が欲しい
  • 股関節に関して基礎から網羅的に学べる一冊が欲しい

書籍の魅力と内容

『股関節 協調と分散から捉える』の一番の魅力は、股関節の基礎となる機能解剖学だけでなく、豊富な研究データを元に臨床に即活かせるような検査や評価が数多く記載されている点です。

知識だけでなく、臨床ではどう評価するのかまで提示されているのが魅力の一つになります。

この書籍で学ぶことができる例をいくつかご紹介します。

腸腰筋と殿筋群の筋力低下を代償する筋肉(p.66-69)

筋骨格モデルのシミュレーション解析を行った研究において、背臥位での股関節屈曲運動時に腸腰筋の出力を50%低下させると、股関節の前方・上方・内方にかかる応力が増大するだけでなく、大腿直筋縫工筋長内転筋恥骨筋大腿筋膜張筋小殿筋の筋出力が増大した¹⁾²⁾と報告されています(図1)。

図1 背臥位での股関節屈曲運動における筋活動
2)より画像引用
(腸腰筋出力が低下すると長内転筋、縫工筋、大腿筋膜張筋の筋活動が高まる(赤棒線))

腸腰筋の出力低下に対して、大腿筋膜張筋や縫工筋は屈曲筋力を補填しますが、その一方で股関節外転作用も働きます。この股関節外転作用を打ち消すために、長内転筋などの張力も高まると考えられています。

また、腹臥位での股関節伸展運動時に殿筋群(大殿筋、中殿筋、小殿筋)の出力を50%低下させると、股関節の上方にかかる応力が増大するだけでなく、半膜様筋大腿筋膜張筋広筋群(内側広筋、外側広筋、中間広筋)の筋出力が増大した¹⁾²⁾と報告されています(図2)。

図2 腹臥位での股関節伸展運動における筋活動
2)より画像引用
(大殿筋出力が低下すると半膜様筋、大腿筋膜張筋の筋活動は高まる(赤棒線))

殿筋群の出力低下に対して、ハムストリングスの中でも特に半膜様筋が股関節伸展筋力を補填しますが、その一方で股関節内転作用も働きます。この股関節内転作用を打ち消すために、大腿筋膜張筋の張力も高まると考えられています。

[st-minihukidashi fontawesome="" fontsize="80" fontweight="" bgcolor="#66BB6A" color="#fff" margin="0 0 0 -8px"]さらに詳しく[/st-minihukidashi]
[st-cmemo fontawesome="fa-search" iconcolor="#66BB6A" bgcolor="#E8F5E9" color="#000000" iconsize="200"]『股関節 協調と分散から捉える』では、Clinical Advanceとしてこれらの知識から実際にどう臨床で筋バランス評価を行うのかが掲載されています。[/st-cmemo]

支持基底面と骨盤アライメントの関係(p.153-154)

図3 支持基底面に対する下半身の変位と骨盤(股関節)の三次元アライメントとの関係
1)より画像引用

片脚立ちを想定し、支持基底面(支持脚足部)に対する下半身重心の偏りに対応した骨盤の三次元的なアライメント変化¹⁾を示しています(図3)。

骨盤のアライメントから足部へ荷重負荷のかかりやすい部位を予測したり、骨盤と足部アライメントの関係性を評価するのに役立てることができます。

[st-minihukidashi fontawesome="" fontsize="80" fontweight="" bgcolor="#3F51B5" color="#fff" margin="0 0 0 -6px"]ココがポイント[/st-minihukidashi]
[st-cmemo fontawesome="fa-hand-o-right" iconcolor="#3F51B5" bgcolor="#E8EAF6" color="#000000" iconsize="200"]例えば、母指球荷重がなぜ片側で大きいのか(外反母趾の程度の差)を骨盤アライメントと照らし合わせるなどの評価に有用です。[/st-cmemo]

書籍のレビュー

『股関節 協調と分散から捉える』で学べることおすすめポイントをご紹介します。

[st-minihukidashi fontawesome="fa-hand-o-right" fontsize="90" fontweight="bold" bgcolor="#3F51B5" color="#fff" margin="0 0 0 0"]『股関節 協調と分散から捉える』で学べること[/st-minihukidashi]
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✔️ 股関節の機能解剖学(構造と機能)を基礎から網羅的に学べる

✔️ 姿勢や歩行と股関節の関係性を学べる

✔️ 得られた知見を臨床でどう活用するか、どう評価していくかまで学べる

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  • 股関節について1から学ぶのに最適
  • 臨床にしっかり役立てられような構成になっている
  • 内容が豊富なのに価格が比較的安価(本体3,800円)で購入できる
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持っておいて損のない股関節の専門書をお探しの方は、検討してみてはいかがでしょうか?

 

今回ご紹介した書籍はこちら🔻

 

参考・引用文献
1)建内宏重:股関節 協調と分散から捉える.株式会社ヒューマン・プレス,2020.
2)Lewis, Cara L., Shirley A. Sahrmann, and Daniel W. Moran. "Effect of position and alteration in synergist muscle force contribution on hip forces when performing hip strengthening exercises." Clinical Biomechanics 24.1 (2009): 35-42.

※この記事で使用している書籍画像は出版社(株式会社ヒューマン・プレス)の許諾の元、掲載しております。