胸郭の理学療法まとめ②〜呼吸時の筋活動、横隔膜の機能解剖〜

安静吸気の筋活動

安静吸気では、横隔膜斜角筋肋間筋が主に活動¹⁾します(図1)。

図1 吸気筋
2)より画像引用一部改変

横隔膜*は、安静吸気の60〜80%¹⁾²⁾³⁾の役割を担うとされています。
✳︎横隔膜の詳細は「横隔膜の機能解剖」に後述。

斜角筋²⁾は、第1、2肋骨を引き上げ上部胸郭を拡張させる働きがあります(図2)。特に、立位、仰臥位で安静吸気時 (吸気後半)に働きます。

図2 吸気時の斜角筋活動

肋間筋¹⁾²⁾は、3層構造となっており、表層から外肋間筋、内肋間筋、最内肋間筋に分けられます(図3)。外肋間筋が吸気を促し、内肋間筋が努力性呼気に働くと言われています。また、外肋間筋は外腹斜筋と内肋間筋は内腹斜筋と筋繊維の走行が同方向であることから、体幹の回旋や側屈にも働くと考えられています。しかし、外肋間筋と内肋間筋の作用の違いは、明確にはなっていません。

図3 外肋間筋と内肋間筋

努力性吸気の筋活動

努力性吸気¹⁾では、安静吸気の主動作筋に加えて、上後鋸筋(図4)、下後鋸筋(図5)、肋骨挙筋(図6)、胸鎖乳突筋、広背筋、胸腸肋筋と頸腸肋筋、小胸筋、大胸筋(胸肋頭)、腰方形筋の関与が挙げられています。

図4 上後鋸筋および下後鋸筋

図5 肋骨挙筋

図6 腰方形筋

上後鋸筋は、吸気の補助筋⁴⁾で、上部胸骨を挙上させることで胸腔内容量を増やす作用¹⁾があるとされています。

下後鋸筋は、横隔膜の初期の収縮のために下位肋骨を安定させる作用がある¹⁾、下位胸郭を身体中心軸方向に包み込むような下制運動に関わる⁵⁾、下位肋骨を後下方に引き下げることで呼吸補助筋として働き下位胸郭の拡張にも貢献する⁶⁾と言われています。
下後鋸筋については、書籍や文献によって様々述べられている一方で、その作用や役割は明確とはなっておらず、未だ調査段階です。しかし、呼吸機能や腰痛との関連性において注目されている筋肉の一つと言えます。

肋骨挙筋¹⁾は、長肋骨挙筋と短肋骨挙筋があり肋骨を挙上することで胸腔内容量を増やすとされています。

腰方形筋¹⁾は、努力性吸気の初期に横隔膜の収縮に対して下位肋骨を安定させるとされています。

📃腰方形筋の機能解剖学は、以下の無料記事で学ぶことができます。

https://forphysicaltherapist.com/408/

努力性呼気の筋活動

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