胸郭の理学療法まとめ①〜骨構造、関節構造、運動〜

胸郭の骨構造

胸郭¹⁾²⁾は、胸骨、左右12対の肋骨および肋軟骨12個の胸椎で構成されます(図1)。

図1 胸郭の骨構造①(正面)

第1〜7肋骨は、前方で肋軟骨を介して胸骨と関節構造をなしています。
第8〜10肋骨は、仮肋と呼ばれ、直接胸骨には付着せずに第7肋軟骨に合流します(図2)。
第1〜10肋骨は、後方で胸椎横突起と関節構造をなしています。
第11および12肋骨は、遊離肋(浮肋)と呼ばれ、胸骨や上位肋骨に付着せず遊離した構造となっています(図2)。

図2 胸郭の骨構造②(側面)

胸郭の関節構造

胸郭には、胸骨柄結合胸肋関節(肋骨肋軟骨結合と胸骨肋軟骨結合)、軟骨間関節肋椎関節(肋骨頭関節と肋横突関節)、胸椎椎間関節があります。

胸骨柄結合は、胸骨柄と胸骨体の融合を指します(図3)。胸骨柄結合は、生涯の後半には骨化し、骨化前には、胸郭の拡張に適度に関与する³⁾と言われています。

胸肋関節は、肋骨と肋軟骨を結ぶ肋骨肋軟骨結合と胸骨と肋軟骨を結ぶ胸骨肋軟骨結合によって構成されます(図3)。第2〜7肋椎関節には、わずかな滑り運動が可能³⁾とされています。

肋軟骨間関節は、第5〜10肋軟骨間に存在する関節構造をいいます。肋軟骨間靭帯で覆われています。

図3 胸郭にある関節構造

肋椎関節は、肋骨頭と上下椎体の肋骨窩と椎間板の陥凹面で形成される肋骨頭関節と肋骨結節の関節面と横突起の陥凹した肋骨関節面とで形成される肋横突関節で構成されます(図4)。

図4 肋椎関節(肋骨頭関節と肋横突関節)
2)より画像引用

胸郭の運動

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