立位前屈運動の知識と動作分析まとめ②〜バイオメカニクス、動作パターン〜

立位前屈運動のバイオメカニクスと動作パターン

立位から前屈最終域まで

健常な成人では、約60°の股関節屈曲ほぼ同時約45°の腰椎屈曲が生じる¹⁾²⁾とされています。

【腰椎骨盤リズムのバリエーション】

腰椎骨盤リズムのバリエーションとして、3パターンが挙げられています(図1)。

図1 立位前屈動作中の腰椎骨盤リズム3パターン
1)より画像引用

図4のBは、股関節屈曲制限(ハムストリングスの緊張)によって腰椎および下位胸椎に過度の屈曲が生じています。

図4のCは、腰椎屈曲制限によって過度の骨盤前傾が生じています。

【前屈動作中の腰椎骨盤リズム】

前屈運動開始から25%は腰部の屈曲がわずかに多く、最終域の25%の間に股関節屈曲がわずかに多い¹⁾²⁾とされています(図2)。

図2 前屈運動中の腰椎骨盤リズム

【頭頸部および胸椎の運動パターン】

頭頸部および胸椎は、運動初期に腰椎屈曲および骨盤前傾とほぼ同時に屈曲するパターンと、運動を通してほとんど胸椎屈曲が起こらないパターン³⁾の2パターン挙げられています(図3)。両者(2者)の比較では、頭頸部および胸椎の屈曲がみられる症例の方が前屈の可動域が大きい結果となっています。
頸椎や胸椎などに制限が生じると、全脊柱の可動性は低下し、全脊柱の可動性を維持するために、腰椎の過剰運動が生じると指摘されています。

図3 前屈動作における頭頸部・胸椎の運動2パターン

【骨盤の並進運動】

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