立位前屈運動の知識と動作分析まとめ①〜腰椎の可動域、腰椎骨盤リズム〜

立位前屈運動を評価する意義

立位前屈運動評価は、臨床において実施頻度の多い評価方法の一つになります。

主な目的としては、下肢後面(ハムストリングスなど)の柔軟性評価脊柱の可動性評価¹⁾、腰背部痛の疼痛再現などが挙げられます。

有名な評価手段として、指先と床との距離を測定する指床間距離(finger floor distance;以下FFD)が挙げられますが、疼痛との関連や機能障害の直接的評価としては不十分です。

そこで、立位前屈動運動評価では動きを捉えること(動作分析)が必須となります。

動作分析をする上で必要な立位前屈運動の知識を学習し、実例を通して動作分析スキルを身につけていきましょう。

腰椎の可動域

脊柱は、32〜34個の椎骨が上下に連結し、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎(1個の仙骨)、3〜5個の尾椎(尾骨)で構成²⁾されます。

腰椎全体では、生理的前弯をしています。

腰椎全体の可動域は、屈曲40〜50°、伸展15〜20°、側屈20°、回旋5〜7°²⁾³⁾とされています(図1)。

図1 腰椎全体の可動域
ユジカワ@整形Drイラストレーターより

腰椎の可動域は、各椎間関節間で異なります(図2)。

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