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頸部痛の理学療法まとめ③〜頸部伸展自動運動テスト、治療的評価法、徒手療法、頸部運動パターン修正エクササイズ〜

頸椎伸展の自動運動テスト

頸椎伸展の自動運動テスト¹⁾(図1)では、頸椎の可動性、動作時痛の有無、運動パターン、筋活動などを評価することができます。

図1 頸椎伸展の自動運動テスト
a:通常例(頭部位置が肩より後方)、
b .上位頸椎での伸展が優位な例(頭部位置が肩より前方)
1)より画像引用

検査方法
 
対象者は、頸部の伸展(後屈)動作を行います(口頭にて「首を後ろに反らしてください」と指示します)。検査者は側方(矢状面)から、頸椎伸展運動の軌跡や可動性を観察します。頸部伸展位から中間位に戻る際も観察します。

判断基準
 
通常では、頭部の中心位置が肩関節よりも後方に位置します。

正常運動パターン
 
頸椎の伸展運動は通常C4〜C7から動き出し、次にC2〜C4とC0〜C2が動き、最後にC0〜C2が最大に伸展します¹⁾²⁾。また、頸部伸展位から中間位に戻る際には、上位頸椎の屈曲から始まります。

解釈
 頭部の中心位置が肩関節よりも前方にある場合
は、上位頸椎の伸展が優位となっている可能性が挙げられます。上位頸椎の伸展が優位になる原因としては、頸部屈曲筋群の過緊張や短縮および遠心性収縮のコントロール不良下位頸椎・上位胸椎の可動域低下などが挙げられます。
 頸部伸展位から中間位に戻る際の異常パターンとして、胸鎖乳突筋による下位頸椎の前方移動や、頸部深層筋群の筋力低下に伴って上位頸椎が最後に屈曲することがあります。

頸部痛に対するアプローチではリスクを伴うため、まずは徒手療法やリハビリの適応判断を慎重に行う必要があります。

頸部の動作時痛に対しては、特別な徒手療法のスキルはなくとも、可動性の獲得や運動パターンの修正によって改善がみられるケースもあります。これには、運動連鎖の視点がとても有用となります。頸部においては、特に上位胸椎や肩甲帯の動きは重要となります。

頸部痛(動作時痛)に対する治療的評価法


治療的評価法とは、一言でいうと治療としても活用できる評価方法です。

具体的には、セラピストの徒手誘導一つに対して疼痛や症状が軽減または消失するかの効果判定を行い、実際に症状の軽減や消失がみられた場合には、そのテスト手技を10回程度反復して行い治療として応用するといった流れになります。治療的評価法から得られた結果は、疼痛発生原因を臨床推論する一助になります。
また、肢位の条件設定のみセラピストが提示して、対象者自身に行ってもらう評価法もあります。これらは、動作指導やセルフエクササイズへ反映することもできます。

治療的評価法は、疼痛の出現する動作に対して操作を加えて、症状が軽減または消失するかどうかを評価して障害を捉えるものです。疼痛減弱テストの効果判定にはNRSを用いると、疼痛の変化を捉えやすいです。
⚠️「治療的評価法」は動作時痛に対して実施します。

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