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頸部痛の整形外科テスト〜頸椎ストレステスト・緩和テスト、椎骨動脈の循環評価、胸郭出口症候群の徒手検査法〜

頸椎ストレステストおよび緩和テスト

【Spurling's test(スパーリングテスト)】

検査方法
 対象者は、頸部を検査側に側屈(または+対側回旋)をします。検査者は、対象者の頭部を上方から下方に向かって圧迫します。検査による症状の増悪を防ぐために圧迫は慎重に行いましょう。
判断基準
 検査側の上肢に放散痛や痺れが出現すれば陽性です。
結果の解釈
 
頸椎神経根の圧迫により神経根のデルマトロームに一致した上肢への放散痛を誘発しています。
感度・特異度¹⁾
 
0.53・0.94
備考
特異度が高く、診断への有用性が示されています。一方で、感度は中等度であり、他の検査との併用が勧められています。

【Distracsion test(牽引テスト)】

検査方法
 対象者は、端座位(または背臥位)となります。検査者は、対象者の側方に位置して両手で額と後頭骨を把持します。検査者は、そこから対象者の頸部をわずかに屈曲させ、頭側遠位方向(上方)へ牽引操作を加えます。
判断基準
 症状が緩和または消失すれば陽性です。
結果の解釈
 
頸椎神経根の圧迫緩和または椎間関節内圧の軽減による陽性反応と解釈されます。
感度・特異度¹⁾
 
0.22〜0.44・0.90〜0.97
備考
検査により症状が出現または増強するケースも臨床ではみられます。この場合は、上位頸椎の不安定性に伴う症状出現が一つの可能性としてあげられ、徒手療法が禁忌となる恐れがあります。牽引の強さは段階的に調整し、慎重に行いましょう。

【Shoulder Depression test(肩引き下げテスト)】

検査方法
 対象者は、端座位または背臥位となります。対象者は、頸部を検査側の対側方向に側屈します。検査者は、片方の手で頭部を固定し、もう一方の手で肩甲帯を下制させます。
判断基準
 検査側の上肢に放散痛や痺れが出現すれば陽性です。
結果の解釈
 
検査手技により頸椎神経根や腕神経叢の緊張を高め症状を誘発しています。
感度・特異度
 
渉猟した限り調査した文献はありません。
備考
 頸部の対側回旋を加えることで頸椎神経根や腕神経叢の緊張をより高めるとされています。

【sharp-purser test(シャープパーサーテスト)】

検査方法
 対象者は端座位となります。検査者は、片方の手掌を対象者の額に当て、もうい方の手で、軸椎(第2頸椎)棘突起を把持します。そこから対象者は頸部を軽度屈曲させます。検査者は、額に当てた手掌で頭蓋骨を背側へ押します(後頭骨と環椎を後方変位させています)。
判断基準
 症状が緩和または消失すれば陽性です。
結果の解釈
 環軸関節の前方不安定性
に対する緩和テストになります。
感度・特異度²⁾
 
0.69・0.96

椎骨動脈の循環評価

【Barre Leiou Sign(バレ・リーウー徴候)】

検査方法
 対象者は端座位となります。頸部を左右に回旋させて15秒から30秒保持します。検査者は、その間に対象者の意識レベルや眼球の動きを注視します。
判断基準
 椎骨動脈不全症状(めまい、複視、眼振、言語障害、嚥下障害、意識障害、吐き気、むかつき、頭重感・頭痛、 蒼白・冷や汗など)がみられたら陽性です。
結果の解釈
 
環軸椎部の回旋方向と反対側の椎骨動脈の血流が減るため、虚血性症状が誘発されます。

【Maigne’s Test(マイグネテスト)】

検査方法
 対象者は端座位となります。頭頸部を伸展・回旋させて15秒から45秒保持します。検査者は、その間に対象者の意識レベルや眼球の動きを注視します。回旋は左右両方向で実施します。
判断基準
 椎骨動脈不全症状(めまい、複視、眼振、言語障害、嚥下障害、意識障害、吐き気、むかつき、頭重感・頭痛、 蒼白・冷や汗など)がみられたら陽性です。
結果の解釈
 
環軸椎部の回旋方向と反対側の椎骨動脈の血流が減るため、虚血性症状が誘発されます。

胸郭出口症候群の徒手検査法

【Morleyテスト】

検査方法
 検査者は、検査側の斜角筋三角部に指腹で圧迫刺激を加えます。
判断基準
 圧痛や検査側の上肢に放散痛、痺れが出現すれば陽性です。
結果の解釈
 陽性の場合は斜角筋症候群が疑われます。左右差での比較やその他の検査とも統合して解釈しましょう。

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