肩峰下インピンジメントのテスト
Hawkins test(ホーキンステスト)
【検査手技】
被験者は肩関節90°水平内転、肘関節90°屈曲位とします。
検者は、一方の手で肩峰を固定し、もう一方の手で前腕近位部を把持します。前腕近位部を把持した手で肩関節内旋を強制します。
【判定】
疼痛が生じる、またはクリックサインがあれば陽性です。
【結果の解釈】
rotational glideでのanterior pathにおける大結節の移動を評価しています⁵⁾。つまり、烏口突起周囲でのインピンジメントが疑われます。
※『大結節の通路』は無料記事で確認できます。
【臨床応用のポイント】
肩甲骨面よりも水平外転位で肩関節内旋強制を行った場合は、肩峰下周囲でのインピンジメントが疑われます。肩関節水平内外転の角度を細かく調整して評価し、インピンジメントが肩峰下周囲か烏口突起周囲で生じているのか判断しましょう。
【感度・特異度】¹⁾
感度:0.83
特異度:0.51
※陽性の場合は、肩峰下インピンジメント症候群の可能性が高いです。
Neer test(ニアーテスト)
【検査手技】
被験者は肩関節下垂かつ内旋位とします。
検者は、一方の手で肩甲骨を上方から固定し、もう一方の手で前腕遠位部を把持します。そこから他動的に肩関節内旋挙上運動を行います。
【判定】
疼痛が生じる、またはクリックサインがあれば陽性です。
【結果の解釈】
大結節はanterior pathを通過します¹⁾。検査が陽性であれば、第2肩関節への圧縮ストレスが、肩峰下滑液包や腱板損傷を誘発したと考えられます。
※『大結節の通路』は無料ブログで確認できます。
【臨床応用のポイント】
肩関節水平外転の角度を細かく調整して評価し、インピンジメントが肩峰下周囲か烏口突起周囲で生じているのか判断しましょう。大結節の通路を意識することが大事です。
【感度・特異度】²⁾
感度:0.72
特異度:0.60