姿勢評価の基礎まとめ①〜理想的な立位姿勢と姿勢分類と特徴〜

理想的な立位姿勢

理想的な立位姿勢とは、身体動揺が少ない、姿勢を乱すような重力の影響が最小、筋活動やエネルギー消費が最小¹⁾である姿勢のことを言います。

理想的な立位姿勢は1889年にBrauneとFischerによって示されています。以下は、矢状面における理想的な立位姿勢アライメントになります(図1)。

矢状面理想立位

図1 矢状面における理想的な立位姿勢アライメント

矢状面の重心線は、耳垂、肩峰、大転子、膝関節前部(膝蓋骨後面:膝前後径の前1/3)

、外果の2~3cm前部を通ります。この時、上腕骨は床面に対し垂直位で、肩甲骨は、前額面から前方に約35°傾斜します。骨盤は、上前腸骨棘が上後腸骨棘より約2横指前傾位となります(図2)。

前額面理想立位
図2 前額面における理想的な立位姿勢アライメント

前額面の重心線は、後方からみて、外後頭隆起、椎骨棘突起、殿裂、両膝関節の内側の中心、両内果間の中心を通ります。この時、肩甲骨の内側縁(肩甲棘から下角の手前まで)は棘突起と平行で、かつ胸椎棘突起との距離が成人男性では約7cm、成人女性では5~6cmあります。前方からみたときは、胸骨下角(下部肋骨のなす角度)は70~90°(左右それぞれ35~45°)となります。骨盤は腸骨稜が水平位で、膝関節は、約5°外反位となります。

矢状面における立位姿勢の分類と特徴

Kendall(ケンダル)は、脊柱の弯曲の特性からロードシス(前弯型)カイホロードシス(後弯前弯型)フラットバック(平背型)スウェイバック(後弯平坦型)の4つに分類²⁾しています。この分類は、一般的な姿勢分類として世界的に普及しています。

ケンダルによる姿勢分類

以下、各不良姿勢におけるアライメントの特徴になります。

ロードシス(前弯型)

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