理学療法

膝窩部痛はいったい何が痛いの?

膝の裏に痛みを抱える患者さんって多くないですか?

整形スポーツ領域に携わる理学療法士なら多く経験するのではないでしょうか。

これは、いわゆる膝窩部痛と呼ばれるものです。

この膝窩部痛ですが、いったい何が痛いのかわかりますか?

膝窩には神経、血管、筋肉、靭帯、脂肪、骨、半月板、滑液、関節包など、たくさん詰まっています。そのため、膝窩部痛を起こす組織もたくさんあるのです。

今回は、膝窩部痛を引き起こす原因組織について、海外論文をもとにまとめたいと思います。

 

さっそくですが、、、

膝窩部痛を引き起こす原因組織は、ずばりこれらです!

  • 筋肉および腱の損傷
  • 靭帯損傷
  • 膝窩嚢胞および滑液包の損傷
  • 半月板損傷
  • 神経損傷
  • 骨損傷
  • その他の神経系、血管系の障害

たくさんありますね。一つずつ整理していきます

 

  • 筋肉および腱の損傷

 膝窩部で損傷している可能性があるのは、ハムストリングス腓腹筋膝窩筋およびその腱です。触診によってどの筋に疼痛があるかを確認します。ハムストリングスは、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋のどれか、腓腹筋では内側頭か外側頭かまでしっかりと評価します。

 


ハムストリングスと腓腹筋

 

膝窩筋

 

  • 靭帯損傷

 膝外側側副靱帯、膝窩腓骨靱帯は膝窩筋とあわせて膝後外側支持機構(PLC)と呼ばれます。このPLCは膝関節内反や膝伸展位での外旋ストレスで損傷をうけます。後十字靭帯損傷(PCL)との合併損傷が多いとされています。疑われる場合は、後外側回旋不安定性テスト(PLRIテスト)や、後十字靭帯の機能評価として後方引き出しテストを行います。前十字靭帯との合併損傷はまれです。


膝後外側支持機構(PLC)

 

  • 膝窩嚢胞および滑液包の損傷

 ベイカー嚢胞による膝窩の滑走障害によって膝窩部痛が出現することがあります。嚢胞の大きいものでは、膝窩がぽっこりと膨らんでおり、視診で観察することができます。

 

  • 半月板損傷

 内側半月板の後角が損傷されると、膝窩部痛として現れる可能性がありますが、比較的レアなケースとなります。疑われる場合は、McMurrayテストやApleyテストを行い、半月板の評価を行います。


半月板

 

  • 神経損傷

 膝の後外側部では総腓骨神経を損傷している可能性があります。ですが、これは外傷のように受傷機転がはっきりしている例がほとんどです。疑われる場合は、神経学的検査が必要となります。

  • 骨損傷

 骨が原因となることは多くはありません。変性骨疾患や大腿骨骨折、脛骨骨折、骨腫瘍が可能性としては挙げられます。

  • その他の神経系、血管系の障害

 膝窩動脈狭窄症候群、動脈瘤、深部静脈血栓症(DVT)などがあります。

 

いかがでしょうか?

これを知っておくことで、

「膝窩部痛を起こしている組織は何か」を推測することができます。

あとは視診や触診、整形外科テストを用いることで、原因組織を特定するまでできます。

「なぜ、膝窩部痛が起こるのか」については、またの機会にまとめたいと思います。

 

参考・引用文献
1)ENGLISH, S.; PERRET, D. Posterior knee pain. Current reviews in musculoskeletal medicine, 2010, 3.1-4: 3-10.
2)https://centenoschultz.com/bakers-cyst-knee-pain-and-new-treatment-options/
3)CHOI, Kwan Woong, et al. Popliteal fossa pain in 24 year-old female. The Korean journal of pain, 2012, 25.4: 275.

 

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