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姿勢評価は、理学療法士にとって必須のスキルのひとつです。
今回は、理想的な立位姿勢をご紹介します。
そもそも理想的な立位姿勢とは、
- 身体動揺が少ない
- 姿勢を乱すような重力の影響が最小
- 筋活動やエネルギー消費が最小
これらの要素が満たした姿勢を言います1)。
では具体的にどういった姿勢がこれに当てはまるのか。
理想的な立位姿勢は1889年にBrauneとFischer によって示されています。 矢状面と前額面に分けてご紹介します。
矢状面
矢状面の重心線は、耳垂、肩峰、大転子、膝関節前部(膝蓋骨後面:膝前後径の前1/3)、外果の2~3cm前部を通ります。この時、上腕骨は床面に対し垂直位で、肩甲骨は、前額面から前方に約35°傾斜します。骨盤は、上前腸骨棘が上後腸骨棘より約2横指前傾位となります。
前額面
前額面の重心線は、後方からみて、外後頭隆起、椎骨棘突起、殿裂、両膝関節の内側の中心、両内果間の中心を通ります。この時、肩甲骨の内側縁(肩甲棘から下角の手前まで)は棘突起と平行で、かつ、胸椎棘突起との距離が、成人男性では約7cm、成人女性では5~6cmあります。前方からみたときは、胸骨下角(下部肋骨のなす角度)は70~90°(左右それぞれ35~45°)となります。骨盤は腸骨稜が水平位で、膝関節は、約5°外反位となります。
座位でも、骨盤から上方の理想的なアライメントは同じです。
この理想的なアライメントから、どこかの部位が逸脱することで、力の釣り合いは崩れ、筋や靱帯、関節面へのストレスが増大します。
例えばですが、「パソコンをやっていると首がいつも凝って痛くなるんです」という患者さんの姿勢を評価するとします。
座位姿勢を矢状面でみたときに、耳垂が重心線より前方にある(頭部前方位)と、後頚筋群の過剰な筋活動を予測しますよね。
本当に基礎的なことですが、姿勢評価ではこれが大事な視点になります。
もちろん、身体の一部分だけを観察しても、問題点は解決できません。 頭部前方位になった原因は、胸椎伸展可動性の低下によるのか、ハムストリングスの短縮によって骨盤が後傾位になる運動連鎖なのか、腸腰筋や腰部多裂筋の活動低下によるのか等、評価をすすめる必要があります。
少し話が脱線しましたが、、、
まずは、身体に負担の少ない理想的な姿勢をしっかり頭に入れておくことが、姿勢評価の第一歩です。
次回は、不良姿勢にはどんな種類があるのか、それぞれの姿勢ではどこに負担がかかるのかをまとめていきたいと思います。
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参考・引用文献
1)中村隆一:基礎運動学 第6版.医歯薬出版株式会社,2011. 2)竹井仁:姿勢の教科書.株式会社ナツメ社.2015.