SNSが「ステータス」として見られ始めている

SNSが「ステータス」として見られ始めている

少し前まで、SNSで発信している医療従事者は、どちらかというと少数派だったように思います。

「なんでそんなに発信してるの?」

「有名になりたいの?」

そんな見方をされることもあったかもしれません。

でも、ここ数年でその空気はかなり変わってきました。

特に理学療法士やトレーナーなどの業界では、SNSで発信していること自体が、一つの「ステータス」として見られ始めています。

もちろん、フォロワーが多ければ偉いという話ではありません。

大切なのは、

「この人は何を考えている人なのか」
「何を得意としているのか」
「どんな活動をしているのか」

それが、SNSを見ればある程度わかる状態になっていることです。

そして、それが思わぬところで仕事につながるケースが増えています。

実際、発信活動をきっかけに、

「病院やクリニックのInstagramを担当することになった」
「院内の広報を任されるようになった」
「スポーツチームへの帯同が決まった」
「勉強会の講師を依頼された」
「一緒に仕事をしませんかと声をかけられた」

そんな話を聞く機会が増えてきました。

おそらく本人も、最初からその仕事を狙って発信していたわけではないと思います。

Instagram担当になるために投稿していたわけでもない。

スポーツチームに帯同するために症例について発信していたわけでもない。

それでも、発信していたからこそ、

「この人なら任せられるかもしれない」

と思ってもらえた。

ここに、今の時代に発信する大きな意味があると思っています。

SNSは「自分が何者なのか」を蓄積する場所になった

例えば、同じ病院に理学療法士が30人いたとします。

全員が理学療法士免許を持っていて、日々患者さんを担当しています。

でも、その30人が院外に出た瞬間、

「それぞれ何が得意なのか」

「どんなことを考えて臨床をしているのか」

「どんな分野に興味があるのか」

外からはほとんど分かりません。

ところが、1人だけ3年間SNSで発信を続けていたらどうでしょう。

膝関節について何度も投稿している。

読んだ論文を紹介している。

勉強会に参加したことを発信している。

自分なりの臨床での考え方を書いている。

少しずつでも継続していれば、そのアカウントには3年間の「その人」が蓄積されています。

誰かがその人を知ったとき、SNSを見るだけで、

「この人は膝をかなり勉強しているんだな」

「臨床を真剣に考えている人なんだな」

「継続して活動しているんだな」

ということが伝わります。

つまりSNSは、単なる情報発信ツールではなく、

自分の活動履歴を蓄積していく場所

になっているのだと思います。

資格だけでは伝わらないもの。
職歴だけでは伝わらないもの。
名刺だけでは伝わらないもの。

それらを、過去の発信が代わりに説明してくれる。

そう考えると、SNSを見る側の認識が変わってきたのも自然なことかもしれません。

すべての行動が報われるわけではない

ただ、ここで勘違いしてはいけないことがあります。

発信したからといって、必ず仕事につながるわけではありません。

毎日投稿してもフォロワーが増えないこともあります。

時間をかけて作った投稿が、ほとんど見られないこともあります。

勉強会に参加しても、それが直接収入につながるとは限りません。

資格を取っても、何も変わらないことだってあります。

行動のすべてが報われるわけではありません。

むしろ、目に見える結果につながらない行動の方が圧倒的に多いと思います。

だから途中で、

「これを続けて意味があるのかな」

と思う瞬間が出てきます。

これはすごく自然なことだと思っています。

時間も使う。

場合によってはお金も使う。

それなのに何も起きない。

そうなれば、やめたくなるのも当然です。

でも、行動の価値は、その瞬間の結果だけでは判断できないことがあります。

チャンスは都合よく降ってこない

例えば、

「スポーツ分野の仕事をしてみたい」

と思っている人がいたとします。

でも、ただ病院で働きながら、

「いつかスポーツチームから声がかからないかな」

と待っていても、おそらく何も起こりません。

なぜなら、チーム側からすれば、その人の存在すら知らないからです。

これはスポーツに限りません。

講師をやりたい。

副業を始めたい。

転職したい。

院内で新しい仕事を任されたい。

何かのプロジェクトに関わりたい。

どんなことでも同じです。

チャンスは、自分にとって都合のいいタイミングで突然空から降ってくるものではありません。

ただし、

行動している人のところにだけ、転がり込んでくるチャンスがあります。

ここが重要だと思っています。

SNSで発信していた。

勉強会に参加していた。

人に会いに行っていた。

自分の考えを外に出していた。

新しいことに挑戦していた。

その一つひとつが直接結果につながらなくても、その行動によって「接点」が増えていきます。

そして、その接点のどこかから突然話がやってくる。

「あの投稿を見たんですけど」
「以前からInstagramを見ていました」
「〇〇について発信されていますよね」
「こういう仕事に興味ありませんか?」

本人からすると突然の出来事に見えるかもしれません。

でも、実際には突然ではありません。

その話が来るまでに積み重ねてきた行動がある。

何もしていなかった自分のところに偶然チャンスが降ってきたのではなく、

行動していたから、チャンスが自分を見つけられる状態になっていた。

そう考えた方が近いと思います。

発信は「未来の選択肢」を増やす行動

SNSをやる目的を、

「フォロワーを増やすこと」

だけにしてしまうと、かなり苦しくなります。

500人になった。

1000人になった。

1万人になった。

もちろん数字も一つの指標です。

でも、それだけが発信の価値ではありません。

僕は、SNSで発信することの大きな価値の一つは、

未来の選択肢を増やすこと

だと思っています。

今日投稿した内容から、明日仕事が来るわけではないかもしれません。

今日参加した勉強会が、来月の収入を増やしてくれるわけではないかもしれません。

今日出会った人と、今後二度と会わないかもしれません。

それでも行動を続ける。

すると、半年後、1年後、3年後に、

「あのとき発信していたから」

「あのとき参加していたから」

「あのとき声をかけたから」

という出来事が出てきます。

そのとき初めて、過去の行動と現在のチャンスが一本の線でつながります。

逆に言えば、何も行動していなければ、その線自体が生まれません。

「いつかやりたい」なら、今できることを始めておく

将来やりたいことがあるなら、いきなり大きなことをする必要はありません。

スポーツに関わりたいなら、スポーツ領域の勉強を始めて、それを発信してみる。

講師をやってみたいなら、自分が学んだことを人に伝える練習をしてみる。

病院の広報に興味があるなら、自分のSNSで発信やデザインを試してみる。

独立したいなら、自分がどんな価値を提供できるのかを少しずつ外に出してみる。

今すぐ結果にならなくても構いません。

大切なのは、

「そのチャンスが来たときに、自分が候補に入る状態を作っておくこと」

です。

何かを始めたからといって、すべてが報われるわけではありません。

10回行動して、10回とも何も起こらないことだってあります。

100投稿して、何の仕事にもつながらないかもしれません。

それでも101回目の投稿を見た誰かから、人生を変えるような話が来る可能性はあります。

もちろん、その保証はありません。

でも、一つだけ言えることがあります。

行動していない人には、行動したことで生まれる偶然は起こりません。

チャンスを待つのではなく、

チャンスが転がり込んでこられる場所に、自分から立ちにいく。

SNSでの発信も、そのための一つの方法です。

すぐに結果が出なくてもいい。

フォロワーが思ったように増えなくてもいい。

すべての投稿が評価されなくてもいい。

今積み重ねているものが、いつ、どこで、誰につながるかは分かりません。

だからこそ、やりたいことがあるなら行動しておく。

チャンスは都合よく降ってくるものではない。
でも、行動している人にしか転がり込んでこないチャンスがある。

発信を続ける理由は、それだけでも十分なのかもしれません。