本日発売された"五十肩の評価と運動療法"を待ちわびていた理学療法士は多いのではないでしょうか?
"運動と医学の出版社"から刊行される本は、今や大人気です。
理学療法士なら手元に一冊はあるのではないでしょうか。
さて今回は、"五十肩の評価と運動療法"を購入する気まんまんで、さっそく本屋で手にとってみたので、私なりのレビューをさせていただきます。
ちなみに結論から言いますと、、、
私は購入しませんでした。
その理由についてですが、
まずは本の良かった点と悪かった点をまとめます。
⚫良かった点
◎過去2作よりも内容がうまくまとめられている
◎新たに疼痛期(急性期)のアプローチ方法が記載されている
◎新たにホームエクササイズのやり方が記載されている
⚫悪かった点
×内容の多くが過去2作の使い回し
×索引がない
良かった点
◎過去2作よりも内容がうまくまとめられている 執筆者の赤羽先生は、過去に運動と医学の出版社から、肩関節拘縮に関する著書を2つ出版されています。
1作目の"肩関節拘縮の評価と運動療法"は、肩関節の解剖学的基礎から評価の基礎、治療の一部を紹介している内容となっています。肩関節治療の初学者には、すごくタメになる本です。
2作目の"肩関節拘縮の評価と運動療法 臨床編"は、肩関節周囲炎や胸郭出口症候群といった各疾患ごとに、実際の症例を通して評価から治療までの流れを紹介しています。1作目と比べ、治療方法についてはボリュームが格段にアップしています。ですが、症例を通した流れとなっているため、治療手技についてはどこに記載されているのかを探しづらいです。
3作目となる"五十肩の評価と運動療法"はこの2冊の内容の いいとこ取り だと思います。各組織に対する評価および治療方法について一通りまとめられていますし、読みやすいです。
以下は"五十肩の評価と運動療法"の目次の引用になります。
第 1 章 肩関節に関する基礎知識 第 2 章 五十肩に影響を与える筋の機能とその評価 第 3 章 五十肩の病態について 第 4 章 疼痛期における治療の考え方と運動療法の実際 第 5 章 拘縮期における治療の考え方と運動療法 第 6 章 緩解期における治療の考え方と運動療法
◎新たに疼痛期(急性期)のアプローチ方法が記載されている 疼痛期(急性期)のアプローチ方法として、Ⅰb抑制を用いたストレッチやポジショニングなどの生活指導に関する記載が載っています。過去2作では、肩関節拘縮がテーマであったため、疼痛の強い急性期での対応については詳しく載っていませんでした。肩の痛みが強く手がつけられなくて困っているという方は、非常に参考になると思います。
◎新たにホームエクササイズのやり方が記載されている これまでの2作には、ホームエクササイズに関する記載は一切ありませんでした。患者さんに自宅で何をやって貰えば良いのだろう?と悩まれる方は、非常参考になると思います。
悪かった点
×内容の多くが過去2作の使い回し 内容がまとめられていて読みやすいのですが、ひとつひとつの内容については、写真など含め過去の2作の使い回し感は否めません。
×索引がない 索引がないため、どこに何が書いてあるのかを調べにくいです。これは"運動と医学の出版社"の本全般に言えることなので、今作のみという訳ではありません。
これらを踏まえて、
結論、どういった方がこの本を買うべきかと言いますと・・・
肩関節の理学療法について、一冊目が欲しい!
という方は 買うべき だと思います。
一方で、
過去2作は持っている!
という方は 購入を見送ってよい と思います。
私は後者にあたるため、購入しませんでした。
ですが、この記事を書いてて段々欲しくなってきたような・・・
実際に手に取って読むのが一番ですが、なかなか書店に行く時間の無い方の参考になればと思います。
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