
知識ではなく、“現場”を届けられる人になる

2025年12月現在、AIの進化が加速しています。
研究の要約、エビデンスの整理、理論背景の説明、わかりやすい資料画像生成。
文章化・構造化された知識を、まるで呼吸するようなスピードで引き出してくれます。
「セラピストが発信する内容って、AIに全部代替されるんじゃないか?」
そんな不安を抱える人も増えています。
でも、セラピストこそ発信で生き残れる——むしろ 今まで以上に価値を出しやすい時代になる と考えています。
今日はその理由と、“どう発信すればこれからも必要とされ続けるのか” をお話します。
■ AIが得意なこと

まず、AIの強みを正確に理解しておく必要があります。
AIは、とにかく 知識の整理 に強い。
-
研究エビデンスの統合
-
理論背景のわかりやすい説明
-
複数の論点を俯瞰して比較
-
臨床判断のヒントの提示
-
既存知識の高速アクセス
-
カテゴライズ・構造化
例えるなら「世界中の論文・書籍を一瞬で棚に並べ替えて見せてくれる司書」。
だから、知識だけを発信していると必ずAIに負ける時代が来ます。
これは脅しではなく、ただの“事実”です。
■ AIが決して触れられない領域

一方で、AIには決定的に欠けているものがあります。
セラピストであるあなたなら、今ここを読んだ瞬間にピンとくるはず。
-
触診で感じる微妙な質感の違い
-
患者さんの“顔の抜け方”
-
呼吸の変化
-
筋緊張が緩む一瞬の手応え
-
動きの重さ・温度・滑らかさ
-
介入した瞬間の方向性の正しさ
-
その場の空気感
-
人と人が信頼し合うことで生まれる微細な情報
これらは 現場でしか手に入らない一次情報 であり、AIはそこにまだ、触れられません。
いくら画像解析技術が進歩しても、
触れたときに伝わる“少しだけ硬い”といった感覚値を再現することはできません。
つまり、現場で培った「一次情報 × 実践知」こそ、AI時代の最大の武器。
■ 結論:知識と現場をつなげられる人が最強になる

ここまでの話をまとめると、セラピストが発信者として生き残るための条件はシンプルです。
知識と現場をつなげられる人になること。
AIが提供する“整理された知識”と、
あなたが持っている“現場の感覚値”は、本来まったく別物です。
そして、この2つを 掛け合わせられる人間こそ希少価値が高い。
例えば
-
研究エビデンス
→「実際の患者さんではこう感じるよ」と説明できる -
理論
→「この場面ではこう応用する」と具体例で語れる -
メカニズム
→「触るとこう反応する」と体験ベースで伝えられる -
テクニック
→「この条件ならこの変化が出た」と再現性を示せる
ここに あなたの臨床経験が言葉として積み上がる。
これこそが、AIには作れない価値です。