慢性腰痛のうち、約13%が仙腸関節痛です1)。
かつては、
不動の関節と呼ばれた仙腸関節も、
現在では、
腰痛治療の対象として重要な関節のひとつです。
運動範囲は、2°~4°未満の回転運動と1~2mmの並進運動であり、非常に小さいのが特徴です1)2)。
運動範囲が小さいために、三次元での動作解析は不十分な現状ではありますが、、、
日本や海外のほとんどの書籍では、仙腸関節の運動を2種類に分類し解釈しています。
その2種類とはこれです!
ニューテーション
カウンターニューテーション
ニューテーション
腸骨に対して仙骨が前傾(前方回旋)する運動をいいます。仙骨に対して、腸骨が後傾(後方回旋)した場合も同様です。仙骨および腸骨の運動は同時に起こる場合もあります。
カウンターニューテーション
腸骨に対して仙骨が後傾(後方回旋)する運動をいいます。仙骨に対して、腸骨が前傾(前方回旋)した場合も同様です。仙骨および腸骨の運動は同時に起こる場合もあります。
仙腸関節では、この2つの運動を制御する上で、靱帯や筋が重要な役割を担っています。
骨盤帯のマルアライメント(アライメントの異常)が発生すると、
仙腸関節を制御する靱帯や筋にストレスがかかります。
仙腸関節付近では侵害受容器が豊富3)なこともあり、このストレスを腰痛として感じていると考えられています。
そのため、仙腸関節由来の腰痛を評価する上では、この2つの運動とそれを制御する靱帯や筋をしっかりと理解しておく必要があります。
仙腸関節痛の評価については、こちらも参考にしてみて下さい⏬⏬
https://forphysicaltherapist.com/2019-07-15-184530/
ちなみに、、、
仙腸関節には、まだもう2つの運動が存在します!
それは、インフレアとアウトフレア です。
これについてはまたの機会に。
次回は、仙腸関節の運動を制御する靱帯および筋についてまとめたいと思います。
情報は随時更新していきます。
参考・引用文献
1)齋藤昭彦:腰椎・骨盤領域の臨床解剖学 原著 第4版-腰痛の評価・治療の科学的根拠-.エルゼビア・ジャパン株式会社,2008.
2)Neumann, Donald A:筋骨格系のキネシオロジー 原著 第3版.医歯薬出版株式会社, 2012.
3)工藤慎太郎:運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略.株式会社医学書院,2018.
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