理学療法

肩関節のQLS部で生じる疼痛の評価とQLSの触診方法

 

QLSを知っていますか?

 

肩甲四角腔(Quadrilateral space:以下QLS)とは、

上方を小円筋、下方を大円筋、内側を上腕三頭筋長頭、外側を上腕骨縁で形成されるスペースのことを言います。

 

QLSの解剖

 

腋窩神経は、QLSを通過したのちに三角筋小円筋に分布します。

 

実際の臨床では、肩関節周囲炎の診断で来る方や投球動作時に肩関節後方に疼痛を訴える症例では、このQLS部のトラブルを抱えていることも少なくありません。(QLS部での腋窩神経が絞扼される病態はquadrilateral space syndrome:QLSSと呼ばれます。)

 

今回は、QLS部で生じる神経障害について、疼痛評価に着目してまとめていきます。

さらに、意外と苦手意識のある人が多い?『QLSの触診方法』をご紹介します。

 

 

QLS部で生じる疼痛の理学療法評価ポイント

QLS部で生じる疼痛評価のポイントは以下の3つあります。

・QLS部での腋窩神経の圧痛所見
・肩関節水平屈曲強制時痛の有無
・肩関節外転強制時痛の有無

 

3つのポイントについてそれぞれの特徴についてです。

 

QLS部での腋窩神経の圧痛所見

触診によってQLS部の圧痛所見を確認します。圧痛がみられる場合は、QLSSの可能性を考慮していきます。

QLSの触診方法については次項で確認してみてください。

 

肩関節外転強制時痛の有無

肩関節外転を強制されると、筋肉の伸張に伴い小円筋の後上方からの圧迫大円筋の前方からの圧迫上腕三頭筋長頭の下方からの圧迫が強まり、QLS部は狭小します。

QLSSの症例では、外転角度の増加に伴いQLS周囲の疼痛を訴えたり、上腕外側への放散痛を訴えます。

 

肩関節水平屈曲強制時痛の有無

肩関節水平屈曲を強制されると、肩関節外転位からさらに小円筋上腕三頭筋長頭が伸張されテンションが高まります。この筋肉の伸張によるQLS部の圧迫に加え、腋窩神経自体が伸張されることで疼痛が誘発されます。

 

QLSの触診方法

QLSの触診について、動画で解説しているので下記を参考にしてみてください。

 

QLS部の触診に加えて、小円筋、上腕三頭筋長頭、大円筋の筋緊張や伸張性を評価できるとQLSSの治療へと繋げていくことができます

 

QLSSに対する治療アプローチでは、

・小円筋、上腕三頭筋長頭、大円筋の過緊張の改善や伸張性の獲得
・腋窩神経の滑走性の改善
・姿勢の改善
・動作フォームの改善

などが行われます。これについては別の機会にまとめていきます。

 

いかがでしょうか?

神経が絡むと何となく難しい印象がある、苦手意識があるといったセラピストの学びの導入となれば幸いです。

 

参考文献
1)林典雄:運動器疾患の機能解剖学に基づく評価と解釈 上肢編.株式会社運動と医学の出版社,2017.
2)林典雄:関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション 上肢・体幹 改訂第2版.株式会社メディカルビュー社,2014.

 

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