側弯症には、運動でよくなるタイプとならないタイプがあるのをご存じですか?
側弯症とは、背骨が左右に弯曲した状態で、背骨自体のねじれを伴うことがあります。 左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭の変形、肋骨や腰部の隆起などの変形を生じます1)。
側弯症の種類
側弯症には、
・構築性脊柱側弯症
・非構築性脊柱側弯症
の2種類があります。
・構築性脊柱側弯症
骨そのものの構造的な側弯を指します。運動では、根本的な改善は難しいと考えられます。
コブ角(一番傾いている椎体と椎体間の角度)が25°未満で軽症、25°以上なら治療対象となります。
コブ角
・非構築性脊柱側弯症
筋・筋膜のインバランスなど機能的な問題による側弯を指します。ストレッチや筋力トレーニングなどの運動によって改善が可能だと考えられます。
側弯症のタイプ
側弯症は、脊柱の弯曲タイプにより4つに分類できます。
・C弯
・逆C弯
・S弯
・逆S弯
側弯症のタイプ
実際の姿勢評価では、頸椎の側屈および回旋や骨盤の傾斜および側方動揺を合わせてみていきます。また、目的に応じて運動連鎖の視点で下肢アライメントとの関連を評価していきます。
側弯症と筋肉のインバランスの関係
側弯症のタイプによって、短縮または過活動しやすい筋肉と伸張または弱化しやすい筋肉があります。
以下、非構築性側弯症C弯タイプと筋肉のインバランスの関係を示した例です。
非構築性脊柱側弯症C弯タイプの筋肉インバランス
右側骨盤挙上側の特徴
・股関節外転筋力が低下し、内転筋群は短縮しやすいです。
・膝関節内側関節面に荷重ストレスがかかりやすく内側OAのリスクが高まります。
・足関節内反捻挫のリスクが高まります。
左側骨盤下制側の特徴
・膝関節外側関節面に荷重ストレスがかかりやすいです。
・腸脛靱帯炎や鵞足炎(伸張ストレスによる)のリスクが高まります。
・扁平足や外反母趾のリスクが高まります。
いかがでしょうか?
姿勢評価から得られる情報は多く、局所への過剰なストレスの原因を臨床推論するうえでとても大切です。
情報は随時更新していきます。
参考・引用文献
1)日本整形外科学会:「側弯症」,https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/scoliosis.html,最終閲覧日2020/10/2.
2)竹井仁:姿勢の教科書.株式会社ナツメ社,2015.
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