理学療法

脳血管障害の理学療法〜脳卒中の予後予測〜

脳卒中の方を担当して、経験則などでなんとなく目標設定や予後予測をしていませんか?

入院期間や転院などの方向性を大きく左右する予後予測ですが、自分自身も以前は先輩の助言や自身の経験則を基に行うことが多く、根拠づけができていなかったように思われます。

 

まずはじめに、予後予測に関しては脳卒中ガイドライン2009において必要性が述べられ、推奨グレードB(行うよう強く勧められる)であると言われています。

 

そこで、今回は以下の点から予後予測をご紹介していきます。

 

○能力障害(歩行能力、FIMなど)

○機能障害(NIHSS、SIAS、BRSなど)

○疾患(病型分類、重症度、画像所見など)

○患者の予備能力(年齢、依存疾患)

 

では、一つずつご紹介していきます。

 

○能力障害(歩行能力、FIMなど)

発症から3日以内の座位保持能力(15秒間の座位保持が可能か)の研究では、可能な群4週以内に歩行自立し退院した。不可能な群では、33%歩行が自立したが、66.6%が監視または要介助となったと述べられています。

亜急性期のFIMを指標とした研究では、ADL改善の阻害要素として発症から回復期病院入院までの期間失行および感情失禁の有無、嚥下障害の有無が挙げられました。

 

○機能障害(NIHSS、SIAS、BRSなど)

NIHSSを用いた予測では、移動予測因子として、発症5日目の失禁失便の有無、麻痺側下肢機能が関係すると述べられています。

 

○疾患(病型分類、重症度、画像所見など)

画像所見と機能改善

病巣と運動予後の関係を以下の図に示していきます。

 

病巣と運動予後の関係

 

このようにある程度損傷部位による、運動予後に関する影響が言われています。

 

○患者の予備能力(年齢、依存疾患など)

年齢

年齢と最終自立度との間には相関が見られ、特に59歳以下では90%が歩行自立し、高齢になる程歩行自立患者比率は低下し、80歳以上では35.7%まで低下していると述べられています。

 

依存疾患

依存疾患の有無と重症度は、依存疾患が有る方が退院時FIMが不良という結果が出ています。

また、運動障害以外では意識障害認知症せん妄を有することが歩行予後が不良と言われています。

 

 

これらの要因を単独ではなく、複数組み合わせて活用し予後予測をすることで発症早期から、具体的に根拠に基づいた予後予測を行うことができると思います。

 

まだまだ、他の文献もありますが今回は以上にさせていただきます。さらにご要望があれば、またご紹介させていただければと思います。

ぜひご活用ください。

参考・引用文献

1)JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION 10巻 4号 医歯薬出版株式会社 320-325, 2001.
2) 亜急性期脳卒中のFIMを指標としたADL予測因子の検討 北関東医学 2006  56 巻 2 号 p. 137-142
3)脳卒中機能評価・予後予測マニュアル 株式会社医学書院 2017

✿この記事は、kara/さんが執筆しました✿

 

kara/さんとは・・・

理学療法士
経験年数5年目


経歴

 脳神経外科で経験を積み2020年1月より回復期リハビリテーション病院で勤務。
非常勤で整形外科クリニック、訪問リハビリテーション、大学講師歴あり。
現在、資産形成コンサルティング会社でサポートメンバーとして活躍中。
またPT/OT/STコミュニティ『&Therapist』に所属。

 

 

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